合成皮革・本革のそれぞれのメリット・デメリット・違い・見分け方が気になる人、合成皮革・本革のどちらにしようか迷う人・合成皮革・本革のどちらが良いのかわからない人などの疑問に答えます。
こんにちは、shintaです。
革製品には合成皮革でできたものと本物の動物の皮からできた本革のものがあります。
パッと見るだけならどちらも同じようなものですが、それらは全く違います。
なので革製品を購入する際はそういったことを理解してから自分が納得する方を購入すべきです。
今回は、合成皮革と本革の特徴・メリット・デメリット・見分け方・どちらを選ぶべきかを、複数の革製品を使用している私がお話します。
目次
合成皮革のメリット・デメリット
合成皮革とは、布をベースに表面に合成樹脂を塗って本革に似せたものです。
合成皮革のメリット
価格が安いことです。
合皮のライダースジャケットは安いものだと数千円で買う事ができます。
高めのもので2万円ぐらいするものもあります。もっと高いものもあるかもしれませんが。
安いだけでなく、最近の合皮はよくできているので、本革と見た目だけでは区別がつきません。
本革のようなシボや毛穴のようなきめ細かい所まで再現しているものもあります!
それだけでなく、革の匂いがする香水を振っているものもあるとのことです。
以下の写真は私の合成皮革のライダースジャケットです。
これでも本革と見間違えられたことがあります!もっとよくできているものも見たことがあります。
また、合成皮革は薄手なので軽いです。一日身につけていても肩が凝ったりしないので楽です。
合成皮革のデメリット
自然に経年劣化してしまうことです。
空気中の水分と結合して加水分解してしまうからです。
合成皮革の寿命は3年ほどだと言われています。
私の合皮のライダースは購入してから4年ぐらいですが、襟の所に劣化が見られます。
白くなって割れそうになっているだけでなく、少しベタベタしています。
購入してから4年経過していますが、実際に着用していたのは1年目と2年目の秋・冬・春のみです。
4年間使い込んでいたとすれば、もっと経年劣化してボロボロに剝がれていたでしょう。
合成皮革の劣化は何かしらの力が加わった方がより進むからです。
また、合成皮革は空気を全く通さないので、特に脇周辺が非常に蒸れます。
なので汗くさくなりやすいですし、着心地は悪いです。
なのに合皮は薄いし冬は合皮そのものが冷えるので寒すぎです。
また、合皮は伸縮性がないので、余裕のあるサイズのものを選ばなければ苦しいです。
合皮なので、古着屋に売る際に本革に比べて値段がつきにくく、最悪の場合は1円で買い取られます。
実際にこのライダースを2店舗で査定してもらったことがあるのですが、1店舗目は1000円で、2店舗目ではなんと1円と提示されました!
本革のメリット・デメリット
本革は動物からはぎ取った皮を鞣したりして腐らないように加工したものです。
具体例として、以下の私の本革のライダースジャケットをご覧ください。
上の2枚を見ればわかりますが、合皮と見た目にほとんど差はありません。
しかし、上の画像のように、ライダースなら使い続けるとアームの部分に皺が寄ります。
また、下の画像のように元々動物が持っていた皺があることもあります。
合皮でもそのような皺を再現しているものがあるかもしれませんが。
本革のメリット
寿命が長いことです。
本革はクリームを塗るなどケアをしながら使用すれば、5年どころか10年・20年・それ以上使用し続けることができます。
さらに本革のライダースジャケットは長年着ていくうちに自分の体に馴染んでいき、経年劣化というよりは経年変化と言われる味が出てきます。
具体的には色が濃くなったり、アームの所などに皺がついてきたり、艶が出てきたり、ヘタってきたりします。
バッグや財布でも使い込んだ味が出てきたり、ものによっては色落ちとは逆に色が濃くなったりします。
このような変化を見るとますます愛着がわいてきて大事に使うようになります。
また、毛穴があるためか空気を通すので、体の熱がこもったりしないので、汗くさくもなりませんし、適度に風通しが良い着心地です。
肉厚な本革のライダースジャケットは中にセーターなどを着こめば真冬でも寒さに耐えられないこともなく着ることができます。
また、少々の傷がついても時間が経てば消えるか、完全には消えなかったとしても目立たなくはなりますし、傷がついても味の一つだと捉えることが出来ます。
本革のデメリット
重いことです。特に、肉厚の牛革のライダースジャケットを一日着ると、人によっては肩が凝ってしまう可能性があります。
バッグでも肉厚で重いものや、肩にかける紐が細いものは1日持ち歩くと肩が凝る恐れがあります。
また、大きく汚れたら、汚れが残ってしまうことです。
大雨に打たれるのも雨染みが残る原因になるので大雨が降っている日は使用することができないです。
他には、綺麗な見た目を保つには定期的にクリームを塗って革に栄養を与えてやる必要があるので手間がかかります。
クリームをやらなければ、革が割れてきたり、より色落ちしてしまいやすくなってしまいます。
あとは、本革は値段が高いことです。
牛革のライダースだと5万~20万円ぐらいです。羊革だと2~4万円ぐらいで買えます。高級ブランドのライダースは数十万円~100万円以上します。
値段が高いほど色んな意味でよくできていますが。
合成皮革と本革の見分け方
上でも述べたように、合成皮革は本当によくできており、本革と見た目、匂い、手触りでは区別することが難しいです。
しかし、合成皮革か本革かを判別できる方法もあります。
1つ目は、水に濡れると合成皮革は染み込みませんが、本革は染み込みます。なので試しに水滴を少量垂らして見ると良いです(本革はシミになってしまうおそれがあるので自己責任で目立たない箇所でお試しください)。
染み込むと、そこだけ色が変わるのでわかります。
2つ目は、手を当てると手汗が染み込むかどうかで判別することもできます。
これは1つ目と同じく、水分が染み込むかどうかという話です。
具体的には、手を当て続けると、合成皮革は手汗が染み込まないので手触りが汗でベタベタしてきますが、本革は手汗を吸うので手触りがあまりベタベタしてきません。
3つ目は、タグを見ることです。
ジャケットやパンツなどには内側にタグがあり、そこに素材は何かが書かれているので合成皮革か本革かを判別することができます。
また、バッグはものによっては本革であれば内側に「genuine leather」や「cowhide」などと書かれていることがあります。
それらが書かれていないバッグや財布などは、購入時にタグを見て確認するか、店員さんに素材は何かを確認すればよいです。
合成皮革と本革のどちらを選ぶべきか?
上記の合皮・本革のメリット・デメリットを踏まえて、自分が納得できる方を選ぶべきです。
本物にこだわらない、安いものが良い、細かいことをあまり気にせずメンテナンスもせずガシガシ使いたい、短期的に使用するだけでいいなどと考えている人は、合皮でも良いと思います。
個人的には断然本革が良いと思います。
その理由は、どうせなら本物の革がいいというのが前提としてありますが、理屈で考えても本革のデメリットはそこまで気になるとは思いません。
まず、重いということについてですが、ライダースであれば、バイク用の肉厚な牛革のライダースジャケットを選ばない限り、ライダースジャケットだけが原因で肩が凝ることはありません。
肉薄のライダースジャケット、特に羊革を選べば、バイク用ライダースジャケットの半分以下の重さになるので、合皮のライダースと重さはあまり変わりません。
また、バッグなら肩にかける紐が太めのものや、肉薄なものを選べば重くはありません。
財布も肉薄な財布を選べば全然重くありません。
大きな汚れは残ってしまうおそれがあるとのことですが、日常生活で普通に使用していれば残るほど大きく汚れる機会はそうありません。私が持っている革製品はどれも一度も大きく汚れたことがありません。
雨染みも大雨でなければシミになることはなく、雨で一時的に変色しても時間がたてば元に戻ります。
財布などの小物はそもそも雨の日でも濡れる場面はほとんどないので大丈夫ですよね。
バッグは大雨の日だけ控えれば良いです。
ライダースジャケットなら着る季節である秋・冬・春は台風など暴風雨の日もないのでほとんどの日に着用することができます。
また、綺麗な見た目をキープしたいなら定期的にクリームを塗る必要があるとのことですが、経験上、一年に一回クリームを塗るだけで十分です。
それすらも面倒くさいのであれば、一切塗らないという手もあります。
特に、財布など毎日手で触るものであれば手汗や手油により水分や油分が保たれるので革が乾いてくることは正直ありません。
ライダースやバッグでも革が割れてきたとしても使用することはできますし、それはそれでヴィンテージっぽくて逆に魅力的に感じられることもあります。
値段が高いということについてですが、確かに最低でも合皮の倍以上はします。
高級ブランドのライダースジャケットはさすがに厳しいとしても、全く貯金が出来ない人・相当家計が苦しい人でない限り、無駄遣いをしなければ、例えば10万円なら社会人だけでなく、学生でもすぐに貯めることができるはずです。
ライダースではなくバッグや財布などであれば10万も払わなくてもかなり良い品質のものが買えます。
また、値段が高くても、合皮よりもはるかに長持ちします。
合皮の寿命とされている3年は当たり前に使用でき、大事に使えば数十年、もしくは死ぬまで使用することができる可能性があります。使用頻度やケア次第でその年数は変わりますが。革そのものだけでなく縫製や金具なども関係してきます。
ボロボロな見た目になってきたとか、縫製や金具破損して修理するのが面倒くさい・買い替えた方が安いとか、単純に飽きたなど本人が自分の意志で手放すことが多いはずです。
合皮のように使っても使わなくても数年で素材そのものがダメになることはなく、数十年使われずに保管されていたものを急にガシガシ使っても、劣化はありません。
実際に私が使用しているオールドコーチのバッグは母が約30年前に購入してあまり使用していなかったものを3年半前から高頻度で使用し始めましたが、経年劣化は全く見られませんでした。
なので、長期的に見たら、合皮よりもコスパが良いと言わざるを得ません。
以上のことから、個人的には感情だけでなく理屈でも合皮より本革を選ぶべきだと思います。
おわりに
今回の記事の内容を参考にしてみてください。
他にも革製品に関する記事を書いているのでご覧ください。